2017年12月26日火曜日

「幸せを探すことが」

 クレヨン牧師のミニエッセイ

「幸せを探すことが」
 
 阪神大震災救援活動のとき、西宮教会で「大阪ムジカ」の皆さんのご協力により「こころなごむコンサート」が行われました。これは学童の子供たちと被災者の方々のためのクラッシックコンサートでした。すべての曲が感動的なものでしたが、なかでも私の目頭を熱くしたのが二曲ありました。
 
 一つはプログラムにはない、祈りとして演奏された「G線上のアリア」です。これは言葉では表現できません。本当に祈りでした。そしてもう一つは「めぐる季節」です。この曲はアニメ「魔女の宅急便」の挿入歌だったと思います。たぶん子供たちのために演奏してくださったのでしょう。なぜか私には涙でいっぱいとなる曲でした。
 
 さっそくCDを買いました。そして歌詞カードをみてもう一度感動したのです。出だしはこうです。「薄紅 花景色 せつなさを知った春 はかなく散ってゆく 風の指先ふれて」。この繊細さに驚きました。その歌詩の途中には「幸せを探す人が一番幸せだって」というところがあります。ここが一番感動しました。
 
 主イエスと共に十字架にかかった一人の強盗は、最後まで主イエスをののしっています。しかし、もう一人の強盗は「私を思い出してください」と主イエスに信仰の告白をしました。十字架上で主イエスと共にある幸せを探したのではないでしょうか。彼は人生の土壇場で神様と出会う幸せを探し求めたのです。
 
 「めぐる季節」の最後の歌詞は、「明日はどんな風 歩き出す窓辺から、もうすぐみえてくる夢を渡ってゆこう」とあります。この曲が演奏されたのは神様の配慮だったのだと信じています。