2017年9月14日木曜日

「いくつかの十字架」

クレヨン牧師のミニエッセイ

「いくつかの十字架」
 
 ドイツ・ブラウンシュバイク州のある教会で、不思議な十字架を見つけました。ちょうど礼拝堂の正面に掲げてあり、私たちの教会のものと同じ大きさでした。なぜ不思議な十字架かといえば、主イエスを十字架から降ろしている場面の十字架なのです。十字架の下には、母マリア、マグダラのマリア、アリマタヤのヨセフ、兵士たちがいて、いままさに主イエスを降ろそうとしている十字架でした。すでに主イエスの足を抱きかかえているマリアがそこにいるのでした。
 
 その十字架をみたのは初めてで、とても新鮮な感覚を覚えました。その十字架が訴えているものは何かと黙想する時間も与えられたのです。
 
 さて、もうひとつの不思議な十字架が手元にあります。それはマカオの友達が送ってくれたものです。この十字架には主イエスと、その横でぶどう酒を差し出している女性がいます。私は勝手に解釈し「マグダラのマリアの十字架」と命名しました。なんでもこの十字架は不謹慎とされ、製造中止になったのだそうです。私はこの十字架が好きです。
 
 十字架につけられた主イエスに、最後まですがりついて奉仕するマリア。その与えられた信仰が胸を打つのです。その信仰ゆえに、復活の主イエスに一番先に出会った女性となったのです。